Japanese translation of Steem whitepaper 2.0 (page 14-18, #Voting Abuse - #Consensus in Steem) / Steemホワイトペーパー2.0日本語版 (p.14-18 #投票の濫用~#Steemにおけるコンセンサス)
This post is Japanese translation of Steem whitepaper 2.0, it includes line 12 of page 14 - line 16 of page18 .
Whitepaper 2.0's Crowdin project is not exist yet. It will come in the near days.
Below is the translated text. It describes about voting and consensus algorithm.
投票の濫用
誰がどのくらいのお金を持っているのかに関わらず、常に同じくらいの財産を持つ人々がたくさんいます。最も裕福な人であっても、次に豊かな2人を合わせたのよりも多くを持つということは滅多にありません。さらに、コミュニティに多額の投資をしている人々は、自身のために投票システムを操作しようとすることによって、最も多くを失うことになります。それは企業のCEOが給料の支払いをやめてしまうようなもので、そのとき彼はすべての利益を自分の懐に収めることができます。誰もが他の会社で働くために去っていき、会社は無価値になり、残ったCEOは裕福にはならず破産します。
幸運にも、多くの投票が集中している作品は、最も吟味 (宣伝) されることにもなります。否定的な投票を追加することにより、多数の小規模なステークホルダーは、共謀集団や離脱する大規模ステークホルダーの投票力を無効化することが可能になります。さらに、大規模ステークホルダーは、濫用によって通貨の価値が下落した場合、自身への投票によって得られるものよりも多くを失います。実際、誠実な大規模ステークホルダーは、小さな貢献に投票するよりも濫用を監視し否定投票を使用するようになる可能性が高いです。
人々をシステムの濫用から守るために否定的な投票の使用には、ある個人が他のすべての人を犠牲にして利益を上げていると認識されたとき多くの人々が持つクラブメンタリティを利用します。クラブメンタリティ (カニ精神) は通常、近視眼的な人々が善良な人々を抑えつけることを指しますが、それはまた善良な人々が悪い人々を抑えることをも可能にします。クラブメンタリティの唯一の「問題」は、誰かが他の人の支出で利益を得ていると人々が誤って信じている場合です。
バケツの中のカニの話
ある男が浜辺を歩いていると、サーフフィッシングをしている別の男がいて、その横には餌の入ったバケツが置いてありました。彼が近付くと、餌のバケツには蓋がなく生きたカニが入っていることがわかりました。
「なぜカニが逃げないように餌のバケツに蓋をしないのですか?」と彼は言いました。
「あなたはわかっていない」と男は返事をしました。「バケツの中に1匹のカニがいる場合は、そのカニは間違いなく素早く這い出してしまうでしょう。ですが、バケツの中にたくさんのカニがいる場合は、一匹が側面を這い登ろうとすると、それを他のカニが掴み、元の場所へ落としてしまいます。そしてそのカニは他のカニと同じ運命を辿るでしょう」
つまり、それは人々についても一緒です。1人がなにか違うことをしたり、評価を上げたり、自身を向上させたり、環境から逃げ出したり、大きな夢を見たりしようとすると、他の人々はその人を引き戻して運命を共にしようとします。
「濫用」を排除することは不可能であり、それを目標にするべきではありません。システムを「濫用」しようとしている人でさえ、仕事をしているのです。彼らが濫用や共謀に成功することで得た報酬は、少なくとも、従来のビットコインマイニングやマイニングプールを介した集団マイニングで採用されたやらせ仕事のシステムとして、通貨を分配する目的のためには価値があります。必要なことは、濫用が横行しすぎないようにし、コミュニティと通貨を支える本物の仕事へのインセンティブを損なわないようにすることです。
コミュニティ通貨構築の目標は、より多くの「カニをバケツに入れること」です。すべての濫用を排除するために極端な対策を行うことは、数匹のカニが逃げ出さないようにバケツに蓋をしようとすることであり、その代償としてバケツに新しいカニを追加することを困難にしてしまいます。壁を滑りやすくし、カニに他のカニが逃げ出すのを阻止する力を与えるだけで十分なのです。
レート制限投票
濫用を最小化するための主要部分は、投票のレート制限です。個々のユーザーは、1日に限られた数の作品しか読んで評価することができません。それ以上の頻度で投票しようとするのは、自動化や潜在的な濫用の兆候です。レート制限により、より高頻度で投票するステークホルダーの投票は低頻度で投票するステークホルダーの投票より少なくカウントされます。複数のアカウントにトークンを分割しようとしても、影響力も分割されるため、正味の影響力が増加することも、投票に課されるレート制限を回避することもできません。
ユーザーには一定の投票力が割り当てられます。与えられた作品にどれくらいの報酬プールを割り当てるのかを決定するには、投票力にユーザーが持つ権利トークンを乗じます。投じられたすべての票は残っている投票力の割合を使用します。ユーザーはより多くの投稿に投票することもできますが、各投票は価値が薄くなり、最大の投票力を再び得るには長い時間がかかるようになります。投票力は1日に20%の固定速度で充填されます。
支払いの分配
Steemの報酬システムの主な目標の一つは、インターネット上に最高の議論を作り出すことです。毎年、年間インフレの75%がコンテンツを投稿、投票、そして議論するユーザーに分配されます。ビットコインの規模では、トップ貢献者には毎日数百万ドルが与えられる可能性があります。
実際の分配はユーザーの投票パターンに依存しますが、報酬の大部分が最も人気のある投稿に分配されるだろうと私たちは考えています。
ジップの法則は驚くべき範囲の実世界の現象を非常によく特徴付けている経験的な法則の一つです。それによれば、大きな集合を大きさや人気で整理すると、2番目の要素は1番目のもののおよそ半分の程度になり、3番目のものは1番目のもののおよそ1/3の程度になります。一般に、k番目の項目は1番目のもののおよそ1/kの程度になります。
価値の大まかな尺度として人気を取ると、個々の項目の価値はジップの法則で与えられます。 つまり、100万の項目があれば、最も人気のある100の項目が全体の価値の1/3に寄与し、次の10,000が別の1/3、残りの989,900が最後の1/3になります。n個の項目の集合の価値はlog(n)に比例します。
この投票と報酬分配の効果は、良いコンテンツに大きな報酬を与える一方で、ロングテールの貢献をする小規模なプレイヤーにも報酬を出すことです。
この経済効果は宝くじに似ています。それは人々が投票を得る確率を過大評価し、報酬の期待値以上の仕事をし、それによってコミュニティのために行われる仕事量を最大化します。すべての人が「何かを獲得する」という事実は、カジノで人々が賭け続けるのと同じ心理を刺激します。換言すれば、小さい報酬によって、もっと大きい報酬を得ることが可能だという発想が強くなります。
支払い
投稿が支払いを受けるとき、50%SBDと50%SPの形を取ります。Steemパワーはユーザーに投票と取引の力を与え、SBDは安定した通貨ですぐに利益を与えます。既に長々と議論したように、SPは短期的な売却ではなく長期的な保有を促すように設計されています。これは多くのユーザーに、プラットフォームの長期的な成長に強い関心を持つように促します。
また、ユーザーは支払いの100%をSPで受けることを選べるほか、投稿の支払いを辞退することもできます。ユーザーが投稿の支払いを辞退すると、支払われるはずのお金は報酬プールに残り、他のユーザーに分配されます。
コンセンサス・アルゴリズム
コンセンサスはコミュニティが広く認識され、一定量の情報について明確な合意に達するプロセスです。誰が何を所有しているのかについてコンセンサスに至るために、社会が開発した様々なアルゴリズムが存在しています。地球上のすべての政府は、全住民が憲法に記された一定の規則を遵守することに合意することによる、原始的なコンセンサス・アルゴリズムです。政府は裁判所、裁判官、陪審員を設置し、客観的な事実を解釈して最終的な決定を下します。殆どの場合、人々はそれが誤りであっても決定に従います。
暗号通貨で使用されるアルゴリズムはコンセンサスに至るための良い方法を提供します。個人からの暗号で署名された証言は、事象の絶対的な全体的順序を確立する公開台帳に記載されます。決定論的コンピュータアルゴリズムはこの台帳を処理して、普遍的に受け入れられる結論を導き出します。コミュニティのメンバーが処理アルゴリズムに合意している限り、アルゴリズムの結果は信頼できます。
主要な考慮点は、どの証言が公開記録に受け入れられるのかを決定することです。システムは検閲の可能性を最小限にするように設計されるべきです。公開台帳における検閲は、誰かに選挙で投票させないようにすることと似ています。どちらの場合も個人は全体的なコンセンサスに影響を与えることができません。
Steemにおけるコンセンサス
概念的には、Steemで採用されたコンセンサス・アルゴリズムは、世界中の企業で採用されているコンセンサス・アルゴリズムに類似しています。Steemの将来的な価値に強い関心を持つ人々は、公開記録に責任を持って証言を含める個人を選ぶように投票します。投票は各個人が持つ既得権に比例して重み付けされます。
暗号通貨の世界では、公開記録は一般にブロックチェーンと呼ばれます。ブロックは署名された取引の集合です。
Steemでは、ブロック生成はラウンドで行われます。各ラウンドで21人の証人が選ばれ、取引のブロックの生成と署名を行います。これらの証人の内20人は承認投票で選ばれ、1人はトップ20に入れなかった各証人から総投票数に比例して時分割されます。21人のアクティブな証人が毎ラウンドシャッフルされ、1人の証人が特定の証人によって生成された1つ前のブロックを常に無視し続けることを防止します。ブロックを逃し過去24時間以内に生成していない証人は、ブロック署名キーを更新するまで無効になります。
このプロセスは最高の信頼性を提供するのと同時に、トップに立つのに十分な投票を得られるほどの人気があるかどうかに関わらず、誰もがブロック生成に参加できるという可能性を保証するように設計されました。人々には選出されたトップ20の証人による検閲に打ち勝つための3つの選択肢があります: トップ20に入らないすべての人と一緒に辛抱強く待つか、もしくはSPを購入して投票の力を増すか。一般に、検閲は選出された証人が仕事を失うための近道となります。従ってSteemネットワーク上では重要な問題になることはまずありません。
アクティブな証人は事前にわかっているため、Steemは3秒毎にブロックを生成するように証人をスケジュールすることができます。証人はNTPプロトコルでブロック生成を同期させます。このアルゴリズムの変形はBitSharesネットワークで1年以上使用されており、信頼性が証明されています。
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ここ数日 @inoue さんの記事を読んでます。ちょっと難しいですがちゃんと書かれているので時間をかけて理解しようと思います。
ありがとうございます^^
日本語でも難しいところありますよね。
もし意味がわからないところがあったら教えてください。
訳が間違っているかもしれませんので。
訳の間違いで分からないのか、私の解読力不足で分からないのかは不明ですが笑
わからないところがあればコメントさせていただきます^^
素晴らしいでますね!
勉強になります
スティーミットは人間の生命活動のうつし鏡ですね(´・ω・`)すごい面白い