研究備忘録
画像元:【JPK Instruments】
こんにちは。大吉です。
凄く久々な投稿なのですが、いつも通りな感じで書いていきます。
そもそも最近全くsteemitに投稿していなかったのは、ただただ単純に
"別に書きたい気分でもなかった"
この一点に尽きますね。詰まるところ飽きていたんでしょう。他の方々の投稿も見ていませんでしたし。怠惰さが出ました。
僕は将棋が好きで棋士の羽生善治竜王を尊敬しているのですが、その羽生さんが以前に
「私は、才能は一瞬のきらめきだと思っていた。しかし今は、十年とか二十年、三十年を同じ姿勢で、同じ情熱を傾けられることが才能だと思っている。」
と言っていましたが、その意味が今になって良くわかります。
継続できる人=尊敬されるべき人 ですね。
後は自分だからこそ発信のできる話題というのもあんまりないんだなーと感じてしまったことも一要因です。なのでおそらく自分しか語れないこと、大学で僕が取り組んでいる研究について書いていこうと思います。
僕の研究は一言でいうと、
「超高性能な顕微鏡を使ってナノスケールで起こる現象を直接観察し、解明する」
ということです。
超高性能な顕微鏡?
おそらく顕微鏡って言われると、こういうのを想像しませんか?
はい、全く違います。実験では原子間力顕微鏡というものを使っています。
What is 原子間力顕微鏡?
原子間力顕微鏡はその名前の通り、原子間に働く力を検出し、画像化する顕微鏡です。
なので光学顕微鏡のようにレンズを覗くようなことはしません。
探針の先と試料間の原子間力を測定します。
原子間力の大きさは距離に依存するので、原子間力の大きさが一定となるように設定すると、探針が距離を保つように動き、その動いた距離から試料の凹凸が測定できるというわけです。
この原子間力顕微鏡は分解能が高く、ナノスケールで試料を観察することができます。
そこでこの原子間力顕微鏡を利用して、電気化学反応による動的変化を直接観察してやろうじゃないかというのが、研究のモチベーションです。
電気化学反応
ここで言う電気化学反応は、電解質を含む溶媒中に電極を挿入し、電気を流すことによって起こる電極表面の反応のことです。中学生のときの化学で
Cu(2+)+2e(-) → Cu
なんて化学式覚えたりしませんでしたか?まさにこれです!
この場合では二価の銅が還元されて銅が析出するという反応が起きます。
こういった電気化学反応はナノスケールで高速(ミリ秒~ピコ秒)で起こるため、直接的な観察が難しいのが現状なのですが…そこで原子間力顕微鏡の出番です!
電極表面に探針をセットした状態で電気化学反応を起こし、その時に析出する金属を原子間力顕微鏡で見ることによって、難しいとされてきた電気化学反応のナノスケールでの可視化に成功しています。これによって詳細な析出メカニズムの解明を目指しています。
将来的には
ナノスケール、原子スケールの析出メカニズムが分かると、例えば原子1個分の析出の制御も出来るかもしれません。そうなったら
楽しくないですか?
別に明確な工業的用途があるわけではありません。ただ純粋に楽しそうだから、やっています。俺は物質の最小サイズである原子を操つれるのだー!ハッハッハー!てなりたいんです。
今後も自己満足に奔走したいと思います!
steemitもちょいちょい更新していけたら嬉しいですね。
それではまた
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