綺麗なデザイン#3 スーパーマリオブラザーズのマリオ

ゲームキャラクターとは奇妙なもので、プレイヤーが操作する、描かれた人形です。
そのキャラクターには操作の快適さだけでなく、視認性、ゲーム世界との納得感等、様々なことが求められます。このスーパーマリオブラザーズのマリオには様々な要素と意図が詰め込まれており、任天堂の看板キャラクターたる理由があるはずです。ではそれを探しに色々見ていきましょう。

当時の僕はまだ幼かったので驚きというものはあまり無かったのですが、当時の他のゲームとは桁外れの楽しさがある事を感じていました。
ゲーム内を表現豊かに動き回るその姿は、16x16(三色)という極小のマトリクスで表現されていて、
人間性・向き・動きの要素が存分に詰め込まれています。

向きだけに着目すると目立つ赤の帽子と鼻が一番方向感を上げいるように思えます。
それだけでなく目・口ひげ・耳・後ろ髪で方向を表現しており、キャラクターの方向を伝えることを重視していることが伺えますね。

少ない絵の枚数で地上の動きを表現するために、立ち絵でも左肩を1ドット下げ、振り上げる右手には赤いドットを入れていて随所に立体感や動きを出すための工夫が見られます。
動きが分かりやすく表現できる個所は足と手なのですが、足を腕を目立たせるためにオーバーオール、更に手を強調するためにロングTシャツを着させていて、動きを表現するために構成した結果から配管工というキャラクターが生まれたということが分かります。

ジャンプの動きですが、振り上げる左手は大きく強調され、逆に左手の付け根は小さく見えないようにすることで、ブロックが叩けるような強さを感じますね。
オーバーオールのベルトが湾曲している表現は秀逸です。動きと立体感をとてもよく表しています。

やられたドット絵は正直多少雑な気がしますが、キュートです。
きっちり作りこむより少々間が抜けている方が、ミスをした時のプレイヤーの感情を和らげる意図があると深読みしてしまいます。

探せば探す程、構成要素が出てきそうな魅力的なキャラクターということが今回記事を書いてみて良く分かりました。
だからこそ任天堂の看板キャラクターとして今でも君臨し続けているのではないでしょうか。