考察:仮想通貨の価値ってどうやって決まるの?①

in #japanese7 years ago

2017年11月15日のこの記事が、ふと目に止まりました。

「ビットコインの価格変動、94%は1つの方程式で説明可能」
https://www.businessinsider.jp/post-107183

簡単にまとめると、「過去4年間のビットコインの価格変動は、メトカーフの法則に基づく「ユーザー数の2乗×平均取引価格」という数式で説明できる」というもの。

メトカーフの法則について調べてみると…

Wikipedia:メトカーフの法則
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%88%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%95%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87

「ネットワーク通信の価値は、接続されているシステムのユーザ数の二乗(n2)に比例する」というもののようです。

(カーブフィッティングが行き過ぎてるんじゃないかなとも思いつつ…)こういう話を聞くと、ビットコインなどの仮想通貨が、単なる決済手段や価値の交換・保存手段としてだけじゃなく、ネットワークそのものであるという感覚をより強くしてくれるように感じます。

そこで、「現在ある仮想通貨の価値って実際どのように決まってるの?」という疑問がわいてきたので、少し調べてみました。

仮想通貨の信頼性をどのように担保するか

仮想通貨のやり取りは、形のないバーチャルなもので、目に見えません。いくら保有してて、いつ誰にいくら支払ったという記録が、もれなく確実に、誰からも改ざんされずに残っていくことが重要です。

このような、不正のない安全な取引を担保するために、仮想通貨のシステムでは、情報自体の暗号化と併せて、「みんなで同じ帳簿(ブロック)を保有し、取引の度に新しく帳簿(ブロック)を作成して、みんなで不正がないか検証する(承認)」というシステムを採っています。(いわゆるブロックチェーンの仕組みというやつ)

そして、取引を承認する際に、法定通貨のような通貨を管理する人は存在しないため、「この取引は不正がなく、正しいものと認めて良い」ということについて、参加者がみんなで合意を形成する必要があります。

しかし、合意形成においてみんなが対等にバラバラと意見表明していては、いつまでたっても合意に至りません。決済システムとしては致命的です。

そこで、仮想通貨の取引記録の承認においては、合意形成に寄与する発言権というか、パワーバランスというか、「誰の承認が有効なのか」について、一定のルールに基づいて重みづけが行われています。(分散合意形成アルゴリズム)

ルールに基づいてパワーバランスを決める

"一定のルール"には下記のような種類が存在します。

1.PoW:Proof of Works

「仕事量」が多いほど力が強い。
ビットコイン(BTC)が採用するルール。

ネットワーク参加者は、システムが吐き出す問い(暗号)を、CPUパワーを割いていち早く解読(マイニング)することで、ブロックの生成権限が得られる。

より多くの新規発行BTCを入手するためには、より多くの演算パワーを導入することが必要。

2.PoS:Proof of Stake

仮想通貨の「保有期間と量」が多い人ほど力が強い
イーサリアム(ETH)が移行を検討中(もう移行してる?)のルール。

通貨の保有期間や保有量に応じて計算されるポイントに基づいて算出される報酬が得られる仕組み。

参加者は、保有期間や量が多いほど、報酬が得られる。(フォージング)ため、お金持ちほど資産を増やすことができるシステムといわれる。

3.PoI:Proof of Importance

参加者としての「重要度」が高い人ほど力が強い。
ネム(XEM)が採用するルール。

重要度は、ネムの保有量や保有期間、取引額や取引頻度などが考慮され決まる。つまり、ネットワークに積極的に参加した人ほど、重要度が高くなる仕組み。

ネットワーク参加者は、重要度に応じて、ブロックを生成して既存チェーンに追加(ハーベスティング)する権限が与えられる。

とは言いつつ、その本質はほぼPoSと同質の様子。

こうしたルールによって、仮想通貨の正しさや安全は担保されているようで、ビットコインが誕生してから8年間、ブロックチェーンそのものの改ざんはまだ、現段階では発生していません。こうしたシステムによって、仮想通貨への信頼が維持されているようです。

その他の価値担保ルール

重みづけルールというとちょっと違う気がしますが、そのほかにも、仮想通貨の価値を担保するアルゴリズムには、下記のものが存在する。

4.PoC:Proof of Consensus

信用力のある承認者による投票制。

信用力のある承認者の80%以上が有効と判断した場合に、ブロックの生成・承認が行われるルール。

リップル(XRP)が採用するシステム。

他の仮想通貨と違い、どちらかといえば、法定通貨のような中央集権的性質が強い。

5.PoB:Proof of Burn

既存の仮想通貨を裏付けとして、新規の仮想通貨を発行する方法。

カウンターパーティーチェーン(XCPなど)が採用する仕組み。

BTCなど、既存の通貨を拠出、それらを消滅させた記録を保持することで、新規発行通貨の価値を担保する。

それぞれのシステムには一長一短あるようですが、ここまでで力尽きてしまったのでまた次回に…。。

「その②」は気が向いた時にポストします。

※間違っていることなどあれば、コメントなどぜひご指摘いただけると嬉しいです。

〇参考
http://www.tottemoyasashiibitcoin.net/entry/2017/06/23/083756#ビットコインの合意形成場面
http://www.tottemoyasashiibitcoin.net/entry/2017/06/24/203649#ブロックを作成する仕事
http://nemmanual.net/proof_of_importance.html
https://bitcoiner.link/4484.html
http://gaiax-blockchain.com/proof-of-burn

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ぜひSteemやBitSharesが採用しているDPoSについても知っておいてください。
Steemのものについては私が今翻訳しているSteemホワイトペーパーを読めばある程度わかりますので。

"Delegated"、委任ですか。Stakeに基づく選挙制みたいな感じでしょうか。
Steemもまたシステムが違うんですね。この辺のトピックも気が向いたら綴ってみます♪

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