息子誕生秘話=第7話=
このお話は、、、
息子誕生秘話
息子誕生秘話=第2話=
のつづきです。
動物園のシロクマのように(体つきも様子も)、
手術室の扉の前を行ったり来たり。
椅子に座ってじっとまってなんていられない。
嫁か息子かにもしなにかが起こったら、、、
なんて考えが1mmでも浮かんだら、
『嫁無事で!息子無事で!』
という祈りに変えていった。
時間が途方もなく長く感じる。
…ていうか、
水浴びに戻ったご家族御一行さまはいつ戻ってくるのだ???
もうだいぶいい時間だぞ。。。
外はすでに真っ暗。夜。
病院に来てから8時間ぐらいが過ぎている。
手術室がある3階の廊下窓から、
幹線の大きな道路と、
そこから病院病棟の駐車場にいたる道もばっちり見下ろせる。
はやくご家族御一行さま戻ってきて、
今のこの状況を伝えて、
ちょっとでも肩の荷をおろしたい気分満載。
伝えたからといって、
自分の肩の荷は変わらないのだが、
共有すると気分が楽になる。ような気分であった。
夜8時をすぎると、
幹線道路といっても、車はほとんど通らなくなる。
だから1台く車のヘッドライトが見えたとき、『これきた!』と。
予想通り、病院への側道を曲がってきて、
そのまま駐車場に入ってきた。
ご家族御一行様、水浴びから無事ご帰還。
嫁と息子を見守る、というか無事出てくるのを待つ仲間が増えた。
これでだいぶ気持ちも楽になる。
ずっとテンパりまくりだったのが、ここでようやくちょびっとゆるむ。
1階まで階段をダッシュで降りて、
談笑しながら入ってくるご家族御一行様に、
ここまでの経緯状況を説明。
そして、ダッシュで3階手術室前に戻る。
…ほどなく、
手術室の中から小さなケースが押し出されてくる。
中には、、、
もちろん息子が。
眠っているかのように静かにケースの中で横になっている。
そのままケースは1階診察室まで運んでいかれ(ケースについていくわたし)
ほどなく診察室から再び出てきて、
車で本館の方にまで運ばれる気配。
嫁はまだ手術室。
とりあえず1人付き添いにということで、
…ここはやはりわたし?
一緒に車に乗り込む。
泣きわめいたりすることなく、
ただただ静かにケースの中で目を閉じている。
だが無事であることは確か。
3階から1階、1階から車への搬送中はちらっとしかみれなかったが、
この車の中でじっとわが息子を眺める。
今置かれている状況が異常なのか普通なのかもよくわからないが、
ひとまず無事出てきてくれたことに感謝と喜び。
あとはなんとかするぜ!!!
…なにができるか、なにをするのかよくわからんけど(・∀・)